02/17: 無印良品のコーヒーメーカーを試してみる
Category: 一般
Posted by: toirocoffee
「オススメのコーヒーメーカーはどれですか?」
たまにお客様に聞かれるのですが、これがなかなか難しい質問です。電動コーヒーミルだったらカリタの「ナイスカットミル」だとか、富士ロイヤルの「ミルっこ」だとか、それなりの定番が存在するのですが、コーヒーメーカーとなると多くの家電メーカーから販売されてますし、それらを実際に私が使用していなければ「オススメ」として推薦できるわけもございません。
それで「やっぱりハンドドリップが一番ですよ」などという逃げの言葉をつい発してしまうのでありますが、時代は常に進歩しているワケですから、全自動で美味しいコーヒーが出来上がる夢のマシンがあれば、それはそれでいうことがないわけです。
そんなことを常日頃思っていたところ、先日、無印良品から面白そうなコーヒーメーカーが発表されました。豆をセットしてボタンを押すと、豆の粉砕からドリップまでを自動でおこなうコーヒーメーカーです。
この手のコーヒーメーカーは過去にもいくつかあったのですが、この無印良品のコーヒーメーカーにはコーヒー好きが興味を持たずにはいられないいくつかのポイントがありまして、人生で一度もコーヒーメーカーを購入したことのない私が自ら自腹購入してレビューしてみたくなったのであります。
価格は¥32,000!ということで、一般的なコーヒーメーカーに比べるとかなりお高いです。しかしMade in Japanでしっかりと組み上げられたその佇まいは、なかなか高級感があります。
気になるポイントその1、搭載されているミルがフラットカッタータイプ!
これはカリタのナイスカットミルなどと同様の仕組みで、カッター状の溝が切ってある2枚の円盤を重ねたもので、豆を均一に挽くことができます。
そしてこのミル部分、手で持ちあげるとはずれます。まるでマジンガーZの頭に乗っているホバー・パイルダーのようです(昭和の人にはわかります。笑)
掃除するときは、ブラシの他に、このようなブロワーがあると便利です。私が持ってるのは、趣味のカメラのメンテナンス用のものですが・・・
ちなみにカリタ・ナイスカットミルで挽いたものと比べてみます。左がナイスカットミルで挽いたもの、右が無印良品のコーヒーメーカーのミルで挽いたもの。いずれも中挽きです。無印良品の方はちょっと粗いですね。挽きムラもあります。さすがミル専用機のナイスカットミルには敵わないようです。
気になるポイントその2、湯わかしケトルを内蔵し、湯温87℃でコーヒーを抽出!
雑味を出さずに、苦すぎないコクのあるコーヒーを淹れるには、80度から85度くらいのお湯でコーヒーを淹れるのが良いのですが、この製品は、ほぼそれに準じた87度のお湯を沸かして使用します。一般的なコーヒーメーカーは、透明なアクリルケースみたいなところに水を入れるかと思うのですが、このステンレス製のポット状の筒に水をセットするという構造からしてこだわりを感じます。
気になるポイントその3、コーヒーの粉にまんべんなくお湯をいきわたらせる工夫!
ハンドドリップする際にも、粉にお湯を注ぐ時はまわりの壁を壊さないように淹れるのがポイントです。つまり、ドリップし終わったあとに、粉がすり鉢状になっているのがベスト。すべてのお湯がまんべんなく粉を通過した証しです。新鮮な豆を使うほど、お湯を掛けた際に粉が膨らむので、淹れ終わったあとにすり鉢状になります。ふる〜い豆を使うとこうはいきませんのでご注意。
この製品ではこの淹れ方を実現するために、お湯が斜めにかかるように、複数あるお湯の噴出口を調整してあります。
フィルターは市販の102タイプが利用できるので汎用性がありますね。
コーヒーを淹れた後は、きちんとすり鉢状に粉が残っています。
指定の量の豆と水をセットしたらスイッチオン。
しばらく豆を挽くガリガリという音がしますが、その後はかなり静か。5分ほどで2杯分のコーヒーが出来上がりました。サーバーの下は保温プレートになっていますが、ずっと保温すると煮詰まって味が変わってしまいますので、20分ほどでヒーターが切れるようになっています。もちろん主電源のスイッチを切れば、即座にヒーターを切る事もできます。
肝心の出来上がりの味は・・・普通に美味しいです。
家族誰が淹れても、常に同じ味が出来上がりますし、新鮮な豆を使えば香りも高く甘みのあるコーヒーが味わえます。
コーヒーメーカーで淹れたコーヒーは、酸味が美味しい豆の表現が苦手だと私は思っています。それは抽出する時のお湯の温度や、ヒーターで加熱されることによる味の変質などが関係しているのかな?と思います。
今日は、当店で昨日焙煎したばかりの「ガテマラ・カレドニア・アティトラン農園」と「ニカラグア・ジャバニカ・パジェダンタリ農園」の2種類を淹れてみました。
当コーヒーメーカーで淹れたコーヒーはきちんと甘みを感じますし、雑味が少なくとても飲みやすい美味しいコーヒーが出来上がりました。
ただ、ハンドドリップと比べると酸味の特徴がぼやけます。「ベリーのようだ」「柑橘系のフルーツのようだ」といった上質なスペシャリティーコーヒーの味を表現するような繊細な酸味と甘みの表現は、やはりハンドドリップにはかなわないという印象です。
それでも、朝の貴重な時間の中、少しでも手間をかけずに美味しい珈琲を淹れたい人や(後の掃除は面倒ですけど)、誰が淹れても同じ味に出来るという点では、コーヒーメーカーを求める人たちの気持ちは十分に理解できます。¥32,000を投資してでも、少しでも理想に近いコーヒーメーカーが欲しいという人は、このマシンを検討してみる価値は十分にあると思います。
たまにお客様に聞かれるのですが、これがなかなか難しい質問です。電動コーヒーミルだったらカリタの「ナイスカットミル」だとか、富士ロイヤルの「ミルっこ」だとか、それなりの定番が存在するのですが、コーヒーメーカーとなると多くの家電メーカーから販売されてますし、それらを実際に私が使用していなければ「オススメ」として推薦できるわけもございません。
それで「やっぱりハンドドリップが一番ですよ」などという逃げの言葉をつい発してしまうのでありますが、時代は常に進歩しているワケですから、全自動で美味しいコーヒーが出来上がる夢のマシンがあれば、それはそれでいうことがないわけです。
そんなことを常日頃思っていたところ、先日、無印良品から面白そうなコーヒーメーカーが発表されました。豆をセットしてボタンを押すと、豆の粉砕からドリップまでを自動でおこなうコーヒーメーカーです。
この手のコーヒーメーカーは過去にもいくつかあったのですが、この無印良品のコーヒーメーカーにはコーヒー好きが興味を持たずにはいられないいくつかのポイントがありまして、人生で一度もコーヒーメーカーを購入したことのない私が自ら自腹購入してレビューしてみたくなったのであります。
価格は¥32,000!ということで、一般的なコーヒーメーカーに比べるとかなりお高いです。しかしMade in Japanでしっかりと組み上げられたその佇まいは、なかなか高級感があります。
気になるポイントその1、搭載されているミルがフラットカッタータイプ!
これはカリタのナイスカットミルなどと同様の仕組みで、カッター状の溝が切ってある2枚の円盤を重ねたもので、豆を均一に挽くことができます。
そしてこのミル部分、手で持ちあげるとはずれます。まるでマジンガーZの頭に乗っているホバー・パイルダーのようです(昭和の人にはわかります。笑)
掃除するときは、ブラシの他に、このようなブロワーがあると便利です。私が持ってるのは、趣味のカメラのメンテナンス用のものですが・・・
ちなみにカリタ・ナイスカットミルで挽いたものと比べてみます。左がナイスカットミルで挽いたもの、右が無印良品のコーヒーメーカーのミルで挽いたもの。いずれも中挽きです。無印良品の方はちょっと粗いですね。挽きムラもあります。さすがミル専用機のナイスカットミルには敵わないようです。
気になるポイントその2、湯わかしケトルを内蔵し、湯温87℃でコーヒーを抽出!
雑味を出さずに、苦すぎないコクのあるコーヒーを淹れるには、80度から85度くらいのお湯でコーヒーを淹れるのが良いのですが、この製品は、ほぼそれに準じた87度のお湯を沸かして使用します。一般的なコーヒーメーカーは、透明なアクリルケースみたいなところに水を入れるかと思うのですが、このステンレス製のポット状の筒に水をセットするという構造からしてこだわりを感じます。
気になるポイントその3、コーヒーの粉にまんべんなくお湯をいきわたらせる工夫!
ハンドドリップする際にも、粉にお湯を注ぐ時はまわりの壁を壊さないように淹れるのがポイントです。つまり、ドリップし終わったあとに、粉がすり鉢状になっているのがベスト。すべてのお湯がまんべんなく粉を通過した証しです。新鮮な豆を使うほど、お湯を掛けた際に粉が膨らむので、淹れ終わったあとにすり鉢状になります。ふる〜い豆を使うとこうはいきませんのでご注意。
この製品ではこの淹れ方を実現するために、お湯が斜めにかかるように、複数あるお湯の噴出口を調整してあります。
フィルターは市販の102タイプが利用できるので汎用性がありますね。
コーヒーを淹れた後は、きちんとすり鉢状に粉が残っています。
指定の量の豆と水をセットしたらスイッチオン。
しばらく豆を挽くガリガリという音がしますが、その後はかなり静か。5分ほどで2杯分のコーヒーが出来上がりました。サーバーの下は保温プレートになっていますが、ずっと保温すると煮詰まって味が変わってしまいますので、20分ほどでヒーターが切れるようになっています。もちろん主電源のスイッチを切れば、即座にヒーターを切る事もできます。
肝心の出来上がりの味は・・・普通に美味しいです。
家族誰が淹れても、常に同じ味が出来上がりますし、新鮮な豆を使えば香りも高く甘みのあるコーヒーが味わえます。
コーヒーメーカーで淹れたコーヒーは、酸味が美味しい豆の表現が苦手だと私は思っています。それは抽出する時のお湯の温度や、ヒーターで加熱されることによる味の変質などが関係しているのかな?と思います。
今日は、当店で昨日焙煎したばかりの「ガテマラ・カレドニア・アティトラン農園」と「ニカラグア・ジャバニカ・パジェダンタリ農園」の2種類を淹れてみました。
当コーヒーメーカーで淹れたコーヒーはきちんと甘みを感じますし、雑味が少なくとても飲みやすい美味しいコーヒーが出来上がりました。
ただ、ハンドドリップと比べると酸味の特徴がぼやけます。「ベリーのようだ」「柑橘系のフルーツのようだ」といった上質なスペシャリティーコーヒーの味を表現するような繊細な酸味と甘みの表現は、やはりハンドドリップにはかなわないという印象です。
それでも、朝の貴重な時間の中、少しでも手間をかけずに美味しい珈琲を淹れたい人や(後の掃除は面倒ですけど)、誰が淹れても同じ味に出来るという点では、コーヒーメーカーを求める人たちの気持ちは十分に理解できます。¥32,000を投資してでも、少しでも理想に近いコーヒーメーカーが欲しいという人は、このマシンを検討してみる価値は十分にあると思います。