木・漆工房の酒井邦芳さんの手による木製メジャースプーン、山桜に続いては「かえで」バージョン。色合いはちょっと明るめの印象。ゆるやかにカーブした持ち手のデザインが素敵です。



酒井さんのメジャースプーンを初めて見た時、すり鉢状の部分と持ち手の部分、それぞれを加工したものを「継いで」いるのかな?と思っていました。しかし、違う形状のスプーンをよく観察してみると、1つの木材から削り出されていることがよく分かります。これがその部分。



繊細で、そして根気のいる作業から、はじめてこの美しいメジャースプーンが生み出されているのです。このスプーンの当店での売価¥1,800という価格を見て「高い」と思われる方もいるかもしれません。しかし、私は思うのです。安いものにこそ理由があるのだと。いかにコストを削減するか、いかに手を抜けるところで手を抜くか、そしてそれをいかに大量に生産するか。だから、このスプーンと対峙した時、そこには「安くできる理由」が見当たらないことに気がつくのです。

もし、その小さなスプーンに宿った「温もり」だとか「優しさ」だとかを感じていただける方がいれば、きっとこのスプーンは一生連れ添ってくれる素晴らしきパートナーとなってくれると、私は信じているのです。